From LA

2020年8月3日

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 新型コロナウィルス感染者数が世界一、7月30 日現在で458万人の米国。中でも州として感染者が最多のカリフォルニア州では51万1869人以上、と全体の1割以上を占める。死亡者数を比べると42万1464人感染のニューヨーク州が3万2683人に対し8972人と少なめではあるが、1日の死亡者数は現在ニューヨークの3倍近い。

 しかしカリフォルニアの人口はおよそ3951万人なので、100人に1人以上の感染率となる。またロサンゼルス郡ではヒスパニックに限るとなんと10人に1人という高い感染率だという。理由としては三世帯同居などで世帯あたりの居住人数が多い、人と接する外での仕事に従事する人が多い、などが挙げられる。同じく三世帯同居の比率が高いフィリピンやベトナム系でも平均よりも高い感染率となっている。

(Denis_prof/gettyimages)

 こうなっても再度のロックダウンを行わないのは、やはり経済的な理由、さらに11月3日に控えた一般選挙の影響がある。ロックダウンに激しく抵抗する人々がおり、今ロックダウンを唱えることは選挙で不利になる、と考える政治家も多いのだ。ロサンゼルス市ではついに公共の場でのマスク不着用に罰金を課す、という法案まで提出されたが、最初の違反が100ドル、2回目が250ドル、3回目以降は500ドル、という罰金額に反発も起きそうだ。

 筆者も今までは直接の知り合いでは感染者がいなかったが、ここに来てついに2人、実際に顔見知りで親しい間柄の人の感染が明らかになった。1人は友人の娘婿で、職業がバーテンダーであるため、5月の経済再開でバーなどが再営業となった際の感染、と納得できる。

 驚いたのはもう1人だ。感染が強く疑われるのは、昨年秋に中国からチベット、ヒマラヤを巡る1カ月以上のツアーに参加した夫婦の妻である。夫婦ともに親しい間柄で、旅行後に夫の方から「妻が帰宅後体調を崩している」と聞いた。その時は長旅の疲れなのだろう、と考えていた。

 妻の病状は思ったよりも重く、入院した、と聞かされていた。高熱から肺炎を併発した、ということで風邪かインフルエンザをこじらせたのだろう、という話だった。1カ月近くたって回復したが、それ以降妻の方には会っていない。夫とは時々顔を合わせていた。

 ところが最近になり、この妻の症状に明らかにコロナウィルスの特徴があった、と聞かされた。味覚臭覚がなくなり、高熱と咳が続き、重い肺炎の症状が出ていた、というのだ。妻が発病したのは昨年11月、旅行直後のことだ。当時はコロナウィルスのことなど誰も知らなかった。当然妻は普通に医者にかかり、隔離もされずに入院していた。もちろん今となっては本当のところは分からないが、状況や症状から考えて彼女が新型コロナウィルスに罹患していた可能性は非常に高いと思う。

 怖いのは夫の方は全く無症状で、感染していなかったのかあるいは無症状感染者だったのかは不明だが、普通に友人と会い一緒にスポーツをしたりしていた、ということだ。同様にこのツアーに参加した他の米国人にも感染者がいた、と考えて不思議ではない。

 また、昨年12月にエジプトを旅行し、ナイルクルーズに参加した別の夫婦で、夫が帰国後に非常に重いインフルエンザ状の病気を発症した、というケースもある。これも12月のことで、米国ではまだ「中国の一部で謎の肺炎が発生しているらしい」程度の認識だった。その後ナイルクルーズでは日本でも感染者が確認されたが、実際には昨年の段階からすでにウィルスが拡散していた、と考えることも出来る。

 もちろん推測でしかないが、彼らが本当にコロナ感染者だったとしたら、米国が2月にいち早く取った中国全土からの入国禁止措置はほとんど意味をなさないものだった、と言える。公式では米国のコロナ感染者第一号は1月19日にワシントン州の病院を訪れた35歳の男性、ということになっている。この男性は1月15日に中国武漢から帰国していた。しかし米国内には同じく昨年11月の段階でコロナ特有の症状があった、と主張する男性もおり、こちらは中国その他への渡航履歴はない。

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