今後どうなる?
爆発事故以前には、不足する石油に関して、レバノン政府はイランから購入するという計画もあった。しかしイラン自身も同様にアメリカから制裁を受けているため断念している。
サウジアラビアは、レバノンのスンニ派勢力と関係が強いが、現在は、サウジアラビアとは仲の悪いヒズボラ中心の政権なので、サウジは当分、手を出さないとされていた。
かわりに同じシーア派中心イラクから石油を買うという計画が進んでいる。
また全体としては、数カ月前から、レバノンはIMFと話し合いをしていたが、具体的なことは決まっていない。
かわりに最近、存在感を表しはじめたのが中国だ。ヒズボラはもともとIMFからの支援に積極的ではなくて、この中国の支援のほうがいいと発言してきた。中国が発電所や鉄道計画を行うという話も出ている。
爆発事件を受けて、各国政府が支援を表明している。敵対しているはずのイスラエルでさえも、支援を始めた。
この小さな国にこれでもかと降り注ぐ出来事。各国からの支援が集まっているが、「支援は政府にしないでください。政治家たちに盗まれてしまうので。NGOや赤十字にしてください」そう、多くのレバノンの人たちが繰り返しているのが印象的だった。
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