2024年12月26日(木)

今月の旅指南

2012年8月24日

 かつて近江国と呼ばれた滋賀県は、京の都に近く交通の要衝として繁栄を遂げてきた歴史を持つ。また、琵琶湖の周辺を囲むように連なる山々は霊峰として崇められるなど、古くから信仰と結びついた宗教文化が栄えた地でもある。この秋、三井記念美術館で、近江に伝わる仏教美術などの名宝を一堂に集めた展覧会が開催される。

重要文化財 千手観音立像
平安時代 葛川明王院所蔵

 出展されるのは、延暦寺、園城寺(おんじょうじ)<三井寺(みいでら)>、石山寺(いしやまでら)、長命寺など42の寺社が所蔵する仏像、仏画、絵巻物、工芸品など約100点。その中には延暦寺の金銅経箱(こんどうきょうばこ)や聖衆来迎寺(しょうじゅらいこうじ)の六道絵(等活地獄図)などの国宝6点が含まれるほか、石山寺の大日如来坐像や飯道寺(はんどうじ)の十一面観音立像などの重要文化財56点、さらに滋賀県指定文化財21点など、まさに近江の誇る名宝の数々が勢ぞろいする。

 会場では「小金銅仏・金工品」「仏像・神像」など、名宝を種類ごとに分けて展示。「仏画・垂迹(すいじゃく)画」は会期を3期に分けて展示替えを実施する。また、山岳信仰と結びついた近江の神体山のパネル展示もあり、近江と宗教文化について改めて知る格好の場となる。

琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展
<開催日>2012年9月8日~11月25日
<会場>東京都中央区・三井記念美術館(東京メトロ銀座線三越前駅下車)
<問>03(5777)8600
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index2.html


◆ 「ひととき」2012年9
月号より

 

 

 

 

 
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