2024年12月22日(日)

家電口論

2020年11月13日

 シャープの不織布マスクを皮切りに、いろいろな家電メーカーがコロナに対して対応アプローチしています。もちろん本業の空気清浄機をはじめとする空調家電で対応しているメーカーもありますが、新しく医療に通じる非医療用品を新しく作り対応しているメーカーもあります。

 しかし、マスクなど非医薬用品は、いつまでも時間をかけて開発してもいいわけではありません。戦いで言うと戦闘が始まっている状態。対応時間はほとんどありません。

 LG電子、フィリップスの電動マスク、シャープのフェイスマスクを紹介、短期開発のため工夫をレポートします。

LGの電動マスク

 韓国のLG。日本では有機ELテレビのパネルが有名ですが、世界的には典型的な総合家電メーカー。特に今は、「シグネチャー」とよばれる大容量冷蔵庫、大容量洗濯機などの大型モデルが、欧米のセレブに受けていて、かなりブランドイメージも上がってきている好調なメーカーです。

 しかし日本と違う部分もちらほら。特にエアコン。「据置型」が主流だと聞いた時はびっくりしました。韓国は、どちらかというと見せるのが大好き。持っているものは、ドーンと床に置いておきたいと言うのが、その理由の一つ聞いています。国民性ですかね。

 そのLGが、この夏に発表したのが、ウェアラブル空気清浄機。分かりやすくいうと電動マスク。ポイントは、空気清浄機のフィルターを流用したことです。

 空気清浄機のフィルターで一番有名なのはHEPA(ヘパ)フィルター。300nmまでの粒子に対応しています。家電に使われ始めた時は、驚くほど値が高いフィルターでした。今では、掃除機の排気フィルター、空気清浄機などで、かなりの量が使われておりますので、年々値は軟化傾向にありますが、ちょっとお高め。その分、性能は折り紙付きと考えていただければいいと思います。

 LGは、このため空気清浄機のフィルター(H13 HEPA)のサイズを小さくして、マスクを作りました。ご存知の通り、コロナウィルスは「飛沫感染」。ウイルス1サイズは、100 nm程度ですが、飛沫は10〜100μmのオーダー。確実に対応できるフィルターです。

 ただ高性能フィルターは、息がつまります。このため、モーターで呼吸をアシスト。そこまですると、マスクをガスマスクの様にハード化させ、顔に密着させても問題はありません。よく、横からウイルスが入るので、マスクは効果が少ないとされますが、それがない。冬場の満員電車でもOKそうです。問題は重いことですね。通常なら、頭の後ろで結えるのですが、重さをうまく分散させているとみえ、耳掛けタイプです。

 バッテリーは、ハイモードで2時間、通常モードで8時間持ちますので問題はなさそうです。

 ただ発表されて、IFAなどでも展示されたのですが、日本での発売は未決定だそうです。

フィリップスの電動マスク 

(Series 6000 ブリーズマスク)

 オランダのフィリップス。こちらも総合家電メーカーですが、段々儲かる分野に集中していっています。集中しているのは、必ず使われるモノ。フィリップスが選んだのは、照明、グルーミング(シェーバー)、そして医療機器です。ただ、それだけではありません。元々自力があり、特許もすごく持っている会社ですから、その他家電も良いのがあります。例えば、ノンフライヤー。爆発的なヒットを飛ばしたモデルです。

 フィリップスも電動マスクを出しました。こちらも考え方は、LG電子と同じですね。フィルターはN95レベル。N95は手術室など、完全無菌を保つ様な時に使われるものです。モーターは日本電産製。HDDなど高性能小型モーターに強い日本メイドです。また、このモデルは日本人を含むアジア系の顔立ちに合わせて作ったそうです。

 フィリップスの製品はデザインでも定評がありますが、今回もそれを裏切らない出来。モニターコメントを読むと、暑い時でも蒸れな買ったそうで、メガネが曇らないマスクとしても重宝しそうです。


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