2022年11月30日(水)

家電口論

2020年11月13日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

1961年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了。大手メーカーにて商品開発・企画を担当後、独立。現在、商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。

経営判断のスピードが肝

 3社並べてみると、社内技術、設備の全面活用が前提にあることがよくわかります。また、社内で足りないところは社外と手を組み、目標を達成しています。

 しかし一番必要なのは、経営判断のスピードです。典型は、今回のシャープですね。仕事の流れの上流がゴーサインを渋ると、当然遅れます。開発は必ず予期しないトラブルが2、3回はおきます。短納期で仕事を済ませるためには、経営判断を拙速ですませ、開発を軌道に載せることです。

 今まで、判断が遅れ、海外メーカーとのビジネス競争に遅れたことはよく指摘されます。シャープは、2017年のテレビ発表会で、8k以降の開発は決まっていないと言っていましたが、このコロナで、2020年の夏には放送するはずだったオリンピックで放送もなかったので、シャープの8Kテレビは業務用としてNHKに納入した分と、民生用として一部の放送マニアはともかく、それ以上の期待はできません。

 そのような切羽詰まった事情があるのかも知れませんが、2020年の不織布マスク、フェイスマスクの判断は早かったと思います。今までとは一味違います。LGもフィリップスも、前から開発していたのではないでしょう。

 同様な例に、アイリスオーヤマがあります。こちらは3月31日に不織布マスクの国内生産決定を発表し、4月15日にはAIサーマルカメラ2機種を、同月20日より発売することを発表しています。マスクはともかく、サーマルカメラは驚きました。コロナが流行り始めたのが、2019年冬です。早くても交渉はそれ以降でしょう。またアイリスオーヤマ自体、不織布マスク不足で忙しかったはずです。

 聞いてみるとサーマルカメラは、社長の判断も速かったのでが、担当者のスピードもまた早かったとのこと。今では、どこでも訪問先はサーマルカメラを備えています。ということは、多くのところが新しく設置した訳です。スピードで負けていたら、他社にこのビジネスをとられていたということです。日本メーカーが、一番見直さなければならないことは、やはり、経営判断のスピードかもしれませんね。

 また判断を遅らせても、仕事の納期、製品のタイミングの良い発表タイミングは変わりません。遅れを取り戻すためには、残業につぐ残業となります。部下に良い仕事をしてもらうためには、トップ判断の速さが欠かせないとも言えます。

 電動マスクもフェイスマスクも、それでコロナを完全防御できる訳ではありませんが、多いにプラスになることは確かです。この冬は、咋冬より、より安心して過ごすことができそうです。が、油断大敵。気をつけてくださいね。

  
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