2023年2月6日(月)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年11月18日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

バイデンの「技」

 大統領選挙と同時に行われた上院選では民主党が期待されたほど、議席数を伸ばすことができず48議席(無所属を含む)に止まっています。来年1月5日、南部ジョージア州で2議席を巡って決戦投票が実施されます。

 仮に2議席を落とした場合、バイデン次期大統領はどのような対策をとるのでしょうか。米議会を迂回して大統領令を発令し、パリ協定の復帰及び、ダカ(DACA: Deferred Action for Childhood Arrivals)と呼ばれる若年期に入国した不法移民の若者に対する強制退去処分の猶予をする公算が高いといえます。

 さらに、バイデン次期大統領には優れた「技」があります。バイデン氏は上院議員時代、故ジョン・マケイン上院議員(共和党・西部アリゾナ州)と協力してきました。同様に、同氏は超党派を目指して、共和党中道穏健派とコミュニケーションをとり、落としどころを探っていくでしょう。これが同氏の政治スタイルです。

 バイデン次期大統領は上院選で勝利したスーザン・コリンズ上院議員(共和党・東部メイン州)に、早速お祝いの電話を入れました。コリンズ氏は、「彼(バイデン氏)が成功することを望んでいる」と肯定的な発言をしています。

 リサ・マコウスキー上院議員(共和党・西部アラスカ州)及びミット・ロムニー上院議員(共和党・西部ユタ州)とも協働して、バイデン氏は法案の成立を目指す可能性が高いでしょう。つまり、ジョージア州で2議席を奪われても、上の3人の共和党上院議員の内、仮に2人がバイデン側につけば「50対50」になります。

 そうなれば、カマラ・ハリス次期副大統領が上院で票を投じて、「51対50」になり、バイデン氏の思惑通りに事が運ぶケースが出てくるかもしれません。


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