コロナ禍にも強いビジネス方法
微細加工は、最終的にモノで判断します。通常、人と目合わせしながら、話を進めます。そのためニッシンは、宝塚の本社に加え、横浜市の鴨居に拠点を持っています。しかし、今年のコロナ禍では、会うこと自体がご法度という感じでしたが、ビジネスに影響はないのでしょうか?
これに関しては、どちらかというとプラスだったです。zoomなどを使うことにより、そこまで行かなければならないことを回避。サンプルなどを宅配でやり取りすることにより、リアルでの共有化。顧客数は増えたそうです。
技術で儲けるというと、オリジナルだから、特許があるから、昔からやっているからという話で終始しますが、ニッシンは、自分たちが扱う技術も変わることがある、ニッチ市場で先手を取る、変な規模拡大を夢見ない。そんな感じで足を地につけていました。目紛しく変わる現代の一つの上手いビジネス方だと思います。
ある著名なデジタルデバイスの基板90%は、ニッシンの技術で作られたものだとか。癖のあるビジネス方法ですが、その結果は多くの人に利を与えている。モノで人の役に立つのがメーカーですから、随分いいと思います。大手メーカーも、すぐリストラだーと言わないで、自分らの技術の使い方をもう一度考えるべきではないでしょうか?
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