トランプ親子とペンス以外の候補
第2の条件は、24年共和党大統領候補にトランプ氏、長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏及びマイク・ペンス副大統領以外の候補が指名されることです。ペンス氏にはトランプ大統領と一体化したイメージがあります。
上の3人の他に、マイク・ポンぺオ国務長官、ニッキー・ヘイリー前国連大使、マルコ・ルビオ上院議員(南部フロリダ州)、トム・コットン上院議員(南部アーカンソー州)などの名前が、次の共和党大統領候補に挙がっています。ただ、どの人物もトランプ氏との距離が近いのは事実です。
仮にトランプ大統領が再出馬しない場合、彼らは同大統領の功績を称賛し、トランプ支持者の獲得に時間とエネルギーを費やすことは間違いありません。それでも、トランプ氏、ジュニア氏及びペンス氏以外の候補が共和党大統領候補に指名されれば、同党におけるトランプ色は現在よりは薄まるはずです。
前で紹介したUSAトゥデイ紙とサフォーク大学の共同世論調査では、「ドナルド・トランプ大統領が2024年共和党大統領候補に指名されると思いますか」という質問に対して、約32%が「はい」、約55%が「いいえ」と回答しました。トランプ氏は24年再出馬を示唆していますが、有権者は同氏の共和党における指名獲得は困難だとみています。
ツイッター対策
第3の条件は、ツイッター社がトランプ大統領が自身のツイッターに投稿した「もう1つの真実」及び陰謀論を削除するないし警告マークをつけ続けることです。来年1月20日にトランプ氏は民間人になっても、自身のツイッターに偽情報を投稿する公算が高いからです。
言うまでもなく、トランプ大統領が支持者と直接コミュニケーションをとる最大の武器はツイッターです。現在警告マークをつけていますが、
その結果、共和党支持者で偽情報を信じるトランプ信者を増加させてしまいました。トランプ党を弱体化させるには、同党を支える信者の数を減少させることが不可欠です。
以上3つの条件を満たしたとき、共和党は「脱トランプ党」を実現できる可能性を高めます。
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