海野素央の Democracy, Unity And Human Rignts

2020年12月8日

»著者プロフィール
著者
閉じる

海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

5日、ジョージア州の上院決選投票の応援演説を行ったトランプ大統領(AP/AFLO)

 今回のテーマは、「トランプ恩赦と2024年?」です。複数の米メディアは、退任まで残り50日を切ったドナルド・トランプ大統領の恩赦の可能性に関して報道しています。トランプ大統領が自己恩赦を行うというのです。

 果たして、トランプ氏は自分に恩赦を与えることはできるのでしょうか。仮に24年米大統領選に出馬する場合、どのようなタイミングで出馬宣言をするのでしょうか。本稿ではトランプ氏の恩赦及び、出馬宣言の時期について述べます。

「恩赦が欲しい」

 トランプ大統領はこれまで大統領特権によって守られてきましたが、来年1月20日民間人になります。脱税、中国における秘密口座の存在、大統領の地位を利用した利益誘導並びに不倫相手に対する口止め料など、様々な疑惑を抱えているトランプ氏は、バイデン新政権の司法長官が本格的に捜査を行い、同氏を起訴することを懸念していると、メディアは報じています。そこで同氏は、予防的な恩赦を欲している訳です。

 過去の恩赦の例をみてみましょう。ジェラルド・フォード第38代大統領は1974年、ウォーターゲート事件で起訴される可能性が高かったリチャード・ニクソン第37代大統領(共に共和党)に、機先を制して恩赦を与えました。

 ただフォード氏は後に、重い代償を払うことになります。ニクソン氏に与えた恩赦を巡り、米国民から非難を浴び、1976年の大統領選で民主党のジミー・カーター知事(当時)に敗れました。

自己恩赦

 合衆国憲法第2条は、「弾劾の場合を除き、米国に対する犯罪に対して、刑の執行延期と恩赦を認める」権限を大統領に与えています。

 第2条の恩赦に関する文言には、自己恩赦に関する記述はありません。そこで、トランプ大統領には自分に恩赦を与える可能性があります。

 実際トランプ氏は18年、「大統領には自分に恩赦を出す絶対的な権利がある」と、自身のツイッターに投稿しています。加えて、米メディアはロシア疑惑の渦中にあったトランプ大統領が、ホワイトハウスの顧問弁護士に対して大統領は自分に恩赦を与えることができるのか、質問をしたと報じました。同氏はすでに自己恩赦に高い関心がありました。

関連記事

新着記事

»もっと見る