2024年4月26日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年2月2日

有権者登録者数を増やせ!

 08年と12年に研究の一環としてオバマ選対に参加した筆者は、南部バージニア州での戸別訪問に加えて有権者登録の運動も実施しました。地下鉄の駅、ショッピングモール、映画館、コーヒーショップなど有権者が集まる場所に有権者登録の用紙を持って立ち、登録を呼びかけました。

 有権者登録では共和党支持者が登録を望んだ場合も、拒否せずに対応します。民主党が有権者登録者数の増加を目指す理由は、言うまでもなく同党の登録者数を高め、彼らを標的にした戸別訪問を行い、投票所に出向かせることが勝利に近づくからです。

 トランプ氏は大統領選挙後、不正選挙を覆すことに時間とエネルギーを費やしました。それに対してエイブラムス氏は、知事選投票日の18年11月6日から19年6月までにジョージア州で20万人の有権者登録を行いました。その大半は民主党支持者でした。

 エイブラムス氏はある数字に注目していました。12年大統領選挙でバラク・オバマ元大統領はライバルのミット・ロムニー氏(現在連邦上院議員)に対して、ジョージア州で8ポイント差で敗れました。一方、16年大統領選挙では、ヒラリー・クリントン氏は同州でトランプ氏に対して、5.1ポイント差で敗北しています。

 エイブラムス氏は18年知事選でケンプ氏に対して、1.4ポイント差まで追い込みました。オバマ氏と比較すると、エイブラムス氏は共和党の地盤で6.6ポイントも同党の候補との差を縮めた訳です。

 加えて、20年大統領選挙でトランプ氏はジョージア州で勝利を収めましたが、ロムニー氏よりも僅か1万8883票上積みしただけです。ところが、同州で敗れたクリントン氏はオバマ氏よりも11万6202票も上回りました。

 エイブラムス氏は、有権者登録者数を増加していけば、20年大統領選挙及びジョージア州での上院選で、民主党候補が同州で勝利できると読んでいました。同氏の狙いは的中しました。


新着記事

»もっと見る