2022年12月5日(月)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年2月4日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

ブリンケンの世界観

 次に人権問題です。バイデン政権は中国に対して争点別ないし分野別に、3段階のアプローチをとってくるでしょう。まず、新型コロナウイルスと地球温暖化に対しては「協調」、ハイテク及び通商に関しては「競争」、南シナ海並びに人権に対しては「強硬」です。即ち、分野別に中国を「協力者」「競争者」及び「敵」とみなすということです。

 中国問題は民主・共和両党が結束して取り組むことができる数少ない課題の1つです。右派のトム・コットン上院議員(共和党・南部アーカンソー州)から左派のバーニー・サンダース上院議員(無所属・東部バーモント州)まで団結できる課題と言っても過言ではありません。

 うえの3段階のアプローチにおいて、アントニー・ブリンケン国務長官は中国に対して人権のアクセルを強く踏むでしょう。ブリンケン氏は国務長官に就任したその日に、ビデオメッセージを流し、ホロコースト(大量虐殺)の生存者である義父について語りました。

 ブリンケン長官の義父は4年間、アウシュビッツなどの強制収容所で生活をしていましたが、結局米軍に救われました。同長官は、ビデオメッセージで「ホロコーストは自然に発生したのではない。我々がホロコーストが起きるのを許したのだ。我々にはホロコーストを阻止する責任がある」と強調しました。

 そのうえで、ブリンケン長官はホロコーストが生じる原因を説明しました。同長官によれば、「真実とウソの境界線を不鮮明にする」「偽情報を流す」「陰謀論を利用する」並びに「憎悪を煽る」です。

 ブリンケン氏はトランプ前大統領の名前を1回も出しませんでしたが、同前大統領の言動に対して警告を発しているようにも解釈できました。同氏はホロコーストを自分にとって重要な問題であると認識しています。

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