2024年4月17日(水)

田部康喜のTV読本

2021年2月13日

恋の行方はどうなる?

 百合のオーディションのつきそいで、会場にいった仙夏は、審査員のプロデューサーに誘われるままに、エントリーしてしまう。ダンスのレッスンに日本舞踊、フォトセッションでキセル姿を決める。テンポいいシーンの連続が観る者の笑いを途切れさせない。

 コメディには、ペーソスという隠し味がいる。笑いと涙である。

 審査員のプロデューサーから渡された、質問票の最後の「誰に喜んでもらいたいか」の項目を、百合は埋めることができない。

 最終審査で審査員に問い詰められても、答えることができない。プロデューサーの矛先は、仙夏に向かう。「あなたの10年後はどうなっているか」と問う。

 「私はこの世界では特別な存在だから、わからないねぇ」

 恋人は?「いないねぇ」。家族は?「いないねぇ」。

 会場の控室にかけつけた、俊輔はスタジオにつながるカメラに向かって「俺がいる!」と叫ぶ。「いるじゃあないですか」と、プロデューサーは興味がなくなった表情を浮かべる。

 百合も仙夏も、最終審査に落ちた。

 カフェの一同が集まる。百合が質問票の最後の項目に答えられなかった理由を問われると、「別に」という。

 「粋じゃぁないね。江戸では12歳は大人だよ。思っていることをいってみな」と、仙夏の決まり台詞である。

 百合が語り始める。母が再婚することになって、相手を「お父さん」と呼び始めたというのである。オーディションに受かったら「ふたりのお父さんに喜んで欲しかった」と。そして、父親の松野にいう。「もうひとり、お父さんができてもいいかな」と。松野の目に涙が浮かぶ。

 仙夏も質問表を泉美(吉谷)に渡す。仙夏に思いを寄せるようになった、鳥居もそれを見る。そこには、どの項目にも「くらじ」と書いてあった。

 「ここにきてから、みんなと出会って、おいしいものを食べて、なんていうか、幸せだ。どれもこれも『くらじ』の旦那のおかげだ。あんたに会わなかったら、真っ暗だった。『くらじ』の旦那、ありがとう」

 さて、これから仙夏の恋の行方はどうなるのか。

  
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