鉄は熱いうちに鍛えよ! 失敗は新人のうちに経験させよ! 製造業の醍醐味を入社早々に味わうことができる山形カシオの新人プロジェクトは、製造業のやりがいを押し付けではなく、自主的に体得できることが大きなメリット。しかも、作ったものが喜ばれるものであり、必要なものばかり。その中に遊び心も入れ込むのが隠し味でもある。
デフレ経済、円高、海外シフトと日本の製造業から元気な声を聞くことができないなかで、山形カシオの新人研修は、日本の製造業の強さを示しているように感じた。
■考える力、チーム力、喜びの体得を目指して
部品事業部部品技術部 佐藤龍栄課長
現場に入ると知識をどのように活用し工夫するべきか、考える力が必要になります。新人研修では、考える力を学ばせたかった。さらに大事なのはチーム力です。みんなで力を合わせることができればパワーは倍加します。その前提となる議論を重ねさせること、互いを理解しあい連帯感を持たせることが大事です。さらに製造現場ですので何よりも作る喜びがなければモチベーションは高められません。
これらのことを考えて、新人たちに一つの製品を作ってもらう研修を考えました。結果として、考える力、チーム力、喜びを、新人プロジェクトで体得でき、いくつかの副次的効果も出ています。
今後はさらに研修を進化させていきたいと考えています。それは、経営感覚をもってもらうことです。簡単に言えば製品に対するコスト意識をもつということでしょうか。顧客の要望は千差万別です。その都度、現場を改善し要望に的確に応えていく。これが海外メーカーとの競争に負けない日本の製造業だと思います。経営感覚を身につけた技術者をさらに増やしていきたいですね。
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