反中国感情の急増
ピュー・リサーチ・センターが中国に対する感情を「温度計」に喩えて質問をしたところ、「非常に冷たい」と「冷たい」の合計が67%に上りました。米国民の約7割が中国に対して否定的な見解を示した訳です。
ちなみに、18年の同調査では「非常に冷たい」と「冷たい」を合わせると46%でした。「中国発」の新型コロナの感染拡大の影響のためか、米国における反中国感情は21ポイントも増加しました。
特に共和党支持者では、89%が中国に対して否定的な見解を持っています。18年の調査結果と比較すると32ポイントも増えました。一方、民主党支持者は61%が中国に否定的な見解を抱いています。こちらも18年と比べると、23ポイント上昇しました。
加えて、習国家主席に対して82%が「信頼できない」と回答しました。19年は50%、20年は77%でしたので、習氏に関する不信感も増加しました。いずれしにしても共和・民主両党の支持者で反中国感情が急増しているということです。
バイデン大統領は2月24日ホワイトハウスで、半導体、レアアース、医薬品及び電気自動車のバッテリーを含めた4分野における調達の見直しを図り強化すると発表して、大統領令に署名しました。その際、バイデン氏は4分野に関して「外国に依存するべきではない。特に我々と利益や価値観を共有しない外国に依存するべきではない」と述べました。中国を念頭に入れた発言であることは確かです。
バイデン大統領は超党派の議員をホワイトハウスに招き、うえの4分野について会議を開きました。会議終了後に記者団に対して「ベストな会議であった」と、満足気な表情を浮かべながら語りました。ピュー・リサーチ・センターの世論調査結果から明らかなように、バイデン氏は中国問題では共和党から支持を取り付けるのは容易です。