2023年2月8日(水)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年7月21日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

共和党に有利な「新たな選挙人」の数

 24年米大統領選挙では、一部の州の選挙人の数が変わります。例えば、南部テキサス州では選挙人が「2」増加します。西部オレゴン州、モンタナ州、コロラド州、南部ノースカロライナ州及びフロリダ州では選挙人が「1」増えます。

 一方、西部カリフォルニア州、中西部イリノイ州、オハイオ州、ミシガン州、東部ニューヨーク州、ペンシルべニア州並びに南部ウエストバージニア州では選挙人が「1」減少します。

 20年大統領選挙においてバイデン大統領は選挙人「306」、トランプ前大統領は「232」を獲得しました。当選に必要な選挙人は「270」です。

 24年に配分される「新たな選挙人」を用いて計算すると、バイデン氏の選挙人は「303」に減り、トランプ氏は「235」に増えます。つまり、24年大統領選挙の選挙人の数は、共和党に有利になりました。

バイデンの「3(スリー)+1(ワン)」とは?

 24年米大統領選挙にトランプ前大統領が再出馬しなかった場合、トランプ支持者は一体誰を支持するのでしょうか。

 南部テキサス州ダラスで7月11日、保守系団体の米保守政治活動会議(CPAC:シーパック)が開催され、24年共和党大統領候補に関する模擬投票が行われました。投票結果はトランプ氏が70%を獲得し、次いでロン・デサンティスフロリダ州知事が21%でした。

 CPACに所属する熱狂的なトランプ支持者は、トランプ氏に代わる候補としてマイク・ペンス前副大統領やマイク・ポンぺオ前国務長官ではなく、デサンティス知事を推す可能性が高いといえそうです。

 仮にデサンティス知事が24年の共和党大統領候補になったとしましょう。新らたな選挙人を使ってバイデン氏の選挙人獲得数を予想してみます。

 デサンティス知事が地元フロリダ州(選挙人30、以下同)と、同州に隣接するジョージア州(16)及び西部アリゾナ州(11)で勝利を収めても、バイデン氏がペンシルべニア州(19)、ミシガン州(15)並びにウィスコンシン州(10)を死守すれば、選挙人276(303-16-11=276)を獲得して再選します。つまり、選挙人の数で不利になっても、バイデン氏はペンシルべニア、ミシガン及びウィスコンシンの3州で勝利すれば、選挙人「270」を超えて再選が濃厚になります。

 トランプ前大統領とは異なり、デサンティス知事は中西部と東部で苦戦するかもしれません。これはバイデン氏にとってアドバンテージになります。ただ、民主党大統領候補がハリス氏になった場合、バイデン氏のように中西部で労働者票を獲得できない可能性があります。

 トランプ氏が再出馬しても、バイデン再選の鍵はペンシルべニア、ミシガン並びにウィスコンシンの3州になります。バイデン大統領はすでにこれらの州の選挙人を強く意識した訪問をしています。

 結局、選挙人の数が変更になっても、バイデン大統領は今後も上の3州とジョージア州への訪問を増やしていくでしょう。つまり、「3+1(ジョージア州)」の選挙戦略を展開していくことになります。

  
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