World Energy Watch

2021年9月14日

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 閉鎖予定の火力発電所の操業継続に加え、自家発火力の運転、環境規制の緩和、たとえば、港に係留されている船は環境上の問題からエンジンを止め陸上から電気を得ることになっているが、その中止。電力需給逼迫時に電力供給を辞退した事業者には料金の10倍以上にもなる1kWh当たり最大2ドルを支払い、その費用は州政府負担という大盤振る舞いまで決めた。環境規制緩和による排出増については、11月までに計画を立てその分の削減を進める予定だ。

 停電発生の可能性ありと心配されていた8月上旬の世論調査では賛否が拮抗していたが、いまのところ停電を回避できており解職反対が賛成を上回ることになった。ただ、再エネ導入により同州の電気料金は上昇を続けており(図-3)、米国の中ではハワイ州、アラスカ州を除き最も高い電気料金となっている。共和党の候補者からは、気候変動・エネルギー政策に対する批判が噴出している。

気候変動・エネルギー政策に対する批判

 最有力とされる共和党エルダー候補者は、選挙キャンペーンのサイトで「ニューサム知事は、気候変動を宗教とし、成長と開発は悪とする過激派に取り囲まれている。環境過激主義のため4000万州民にエネルギーと水を供給するインフラは建設されず、70年代の設備はぼろぼろになっている」と述べ、インタビューでは「気候変動は山火事発生の要素の一つだ。気候変動により地球温暖化が進んでいることを信じているし、人的活動も関係しているだろう。だが、私は、気候変動に関する不必要な警告は信じていない。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員(民主党左派)のようには気候変動問題を信じていない。我々は賢明だから気候変動の影響に対処できる」と述べている。

 さらに、「2025年に予定されている原発閉鎖には反対。原発は以前よりもはるかに安全性が高まっており、建設を進めるべきだ」とし「物事には全て、トレードオフがある。州の人口が今の半分だった40年前から水とエネルギーに関する実質的な投資は行われていない」と主張している。

 コックス候補は、インタビューに応え、「カリフォルニア州のグリーン政策は、州民の生活費を押し上げ、中流階級は貧困層に落ちている。エネルギー生産が大きな理由だ」とし、原発の運転継続、天然ガス火力からの発電量増を訴えている。さらに、石炭消費国、中国、インド向けに液化天然ガス輸出を進めることで、州内に利益と雇用を作り出せると述べている。

 また、自身もテスラ・モデルSを運転し、電気自動車導入を支持しているが、35年に内燃機関自動車を禁止するのは現実的ではないと述べ、「エアコン用の電力さえ十分でないのに、2500万から3000万台の車に充電可能な電力はあるのか」と指摘している。

 カリフォルニア州のエネルギー政策が電気料金を引き上げる一方、電力供給の不安定化を招き州知事への不信感を高めたようだ。日本でも自民党総裁選で、エネルギー政策も話題になっているが、温暖化対策を進めるのには大きなコストが必要になることが十分に理解されているのだろうか。

  
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