日韓基本条約締結50周年に向けた準備を
朴新大統領の任期は2018年2月までである。安倍総理も、2013年7月の参院選に勝てば、2016年12月の次期衆院選まで、小泉政権以来久しぶりの長期政権が期待されている。だとすると、2015年、日韓基本条約50周年をこの2人の政治リーダーで迎える可能性が高い。
30周年の1995年には、韓国は、「もはや無効(already null and void)」は「そもそも無効(ab initio null and void)」であったとして、日本に解釈の変更を要求した。40周年の2005年には、日韓国交正常化交渉に関連する外交文書を公開すると同時に、1965年当時、公になっていなかった慰安婦問題に関して日本には法的責任が残っているという見解を発表した。50周年に向けては、2012年末の時点ですでに、東北アジア歴史財団という政府傘下の研究機関は、『韓日協定50年史の再照明:韓日協定の国際法的な問題点に対する再照明』という書物を刊行し、「国際法的な問題点」を争点化する姿勢を示している。
安倍総理には、長期政権を見据えるのならばなおさら、先読みが得意なタフ・ネゴシエーターである朴新大統領を相手にすることを考慮し、個別の外交懸案だけでなく、その問題のされ方や解決に向けたアプローチを徹底的に検証し、日韓基本条約締結50周年に備えた準備を、今から始めておくことが求められている。
[特集] 今後の日韓関係を考える
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