2022年11月26日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年12月17日

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 ラテンアメリカで、国論の二極対立化を際立たせている原因は、大統領選挙の決選投票制度にもあるように思える。中道派から複数の候補者が出れば中道票が割れて左右の両極の候補、あるいは、25%程度の岩盤支持層を持つ候補が決選投票に進んでしまうことになる。

慢性的な行政と立法の対立

 全国的人気投票で選ばれる大統領の与党が、地域的な積み上げの結果となる議会選挙で多数派を取れない現象も共通である。チリの場合も、いずれの候補も議会では中道派の支持を得なければ過半数を取れないので、自ずから大統領の政策も穏健化するとの見方もある。しかし、大統領が実現したい公約が議会に阻まれるといった、行政権と立法権の対立が慢性的な不安定要因となる中で諸問題の解決はおぼつかないであろう。

 国民がこのような状況を自覚し、受け皿としてマクロンのような、右でも左でもないといったポピュリスト的な政治家が現れるのを期待するしかないのかもしれない。そのような意味では、日本の議院内閣制のように、基本的に議会の多数派が行政権も握るのであれば、このような極端な二極対立も回避され、ポピュリスト指導者の独走といった現象も起こりにくいのではないかと思われる。

  
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