2024年4月29日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月23日

 2012年12月18日号の米Foreign Affairs誌にて、Robert E. Kerry釜山国立大学教授は、韓国の大統領選では、野党側は明らかに親中ハト派的姿勢を示し、朴氏も李明博のタカ派的姿勢と一線を画し、韓国全体が左傾化していることは否めない、と述べています。

 すなわち、1990年代以降、特に若者はハト派的になり、北朝鮮との接近を支持するようになった。韓国巡視船撃沈の時でさえ、米国と李明博政権の自作自演説もあったほどだ。北朝鮮からの砲撃も、李明博による挑発の結果と言っていた。

 今度の大統領選挙戦を見ていると、両方の候補がハト派を演じている。韓国の新しい世代は、北朝鮮との対立で韓国の繁栄を損なう気はなく、南北の分断の半恒久化を認めようとしている。

 米国のアジアへの軸足転換は、韓国ではあまり議論されていない。

 東亜日報の世論調査では、日本嫌いは50%、中国嫌いは40%だった。今や韓国人にとって、米国と中国は同等に重要となっている。

 韓国のジニ係数は、0.31で、日本の0.33、米国の0.38、中国の0.44より良いが、それでも財閥に対する反感は強い。新政権は、従来の経済成長と米韓同盟中心の伝統的政策を維持するのが難しくなろう、と述べています。

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 Robert E.Kelly は朝鮮半島情勢について多々論説を寄稿している専門家であり、この論説も客観的に書かれているように思われます。


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