世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月10日

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 一方でサウジはホーシー派の攻撃に対処するため中国に接近、中国から機密性の高いミサイル技術の移転を受け、弾道ミサイルを製造していると報じられている。サウジはバイデン政権が中国と対決すべく、米国の軍事能力の世界的再調整を図り、中東地域からの撤収を図っていると見て、中国に接近したものと思われる。他方、中国は米サウジ同盟関係に楔を撃ち込み、中東での影響力を強める機会と見て、サウジへのミサイル技術の移転に踏み切ったものと見られる。

頼みの米国も二の足を踏む

 サウジにとってイエメンは南の隣国で、サウジの安全保障上、イエメンに敵対的勢力が登場することは何としても避けたいところである。その意味で宿敵イランが支援するホーシー派のサウジに対する軍事攻撃は、サウジの安全保障にとって重大な問題であり、何としてでも防ぎたいものである。

 ただ、サウジ政府はホーシー派の攻撃を防ぐのに苦闘しているという。サウジが頼りたいのは米国であるが、その米国は中国との対決を最優先し、中東への関与には二の足を踏んでいる感がある。

 そうは言っても、サウジは中東における米国の重要な同盟国である。バイデン政権は苦境に立つサウジ政府を軍事的に放っておけないのではないか。ホーシー派の攻撃によるサウジの民間人の犠牲を防ぐだけではなく、ホーシー派の攻撃に対し何らかの軍事的対抗手段を講じることが考えられる。

  
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