2022年12月8日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月10日

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 イエメンの武装組織ホーシー派が、最近、サウジアラビアに対する攻撃を急速に拡大させているようだ。ホーシー派は、イスラム教シーア派の一派、ザイード派に属する。ホーシー派に対しては、かねてよりイランの支援が疑われている。

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 米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が最近発表した、ペルシャ湾岸地域での暴力の拡大についての報告によれば、ホーシー派の戦闘グループによるサウジアラビアに対する攻撃は、2021年は前年に比べ2倍以上となっているという。同報告は、21年の最初の9カ月間に、サウジに対するホーシー派の攻撃は、1カ月平均78回、合計で702回行われたとしている。

 15年1月、イエメンのハーディ大統領が辞意を表明すると、ホーシー派が政府の実権を掌握し、事実上のクーデターを遂げた。同年2月に大統領が辞意を撤回すると、イエメン軍とイエメン軍を支援するサウジ主導の連合軍と内戦状態に入った。

 上記の報告によれば、ホーシー派の武装勢力は、サウジに対する不正規または非対称兵器(とりわけドローン)を使っている。そして、イランが支援するレバノンのヒズボラが、ホーシー派に兵器と訓練を提供してきた。イランとヒズボラによる比較的コストの安い支援が、ホーシー派の攻撃を極めて有効なものにしているらしい。

 米国は、トランプ大統領が退任間際の21年1月、ホーシー派をテロ組織に指定したが、バイデン大統領は2月にテロ組織指定を解除した。テロ組織指定により物資支援などが制限され、国連による和平仲介や人道支援活動への悪影響が出ると問題視したためと見られている。

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