2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月13日

対日交渉への警戒も

 次に、TPP加入推進に当たって韓国にとり何が茨なのか。主に三つある。第一に、強硬な勢力である国内農業者が反対している。TPPに入れば農業は影響を受ける。第二に、韓国の部品・素材産業や自動車産業にとり、日本との競争が強まる。

 そして、第三に、対日交渉に対する警戒がある。TPP加盟国は加盟に当たって、市場開放やルールの順守について加盟国の要求により二国間交渉を行う必要があり、全ての加盟国との交渉が妥結しない限り加入できない。韓国は、この過程で、福島産農水産物の輸入規制や安保がらみの貿易措置などの是正を要求されるのではないかと恐れている。また将来不規則な措置は取れなくなる。

 松野博一官房長官は12月14日、「(韓国が)高いレベルを完全に満たす用意ができているか、しっかり見極める必要がある」、「戦略的な観点や国民の理解も踏まえながら対応する」と述べた。現下の両国関係もあり、韓国は強い関心を示している。

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