フィリバスターのルール変更は実現するのか?
だがフィリバスターのルール変更は安易ではない。身内のジョー・マンチン上院議員(南部ウエストバージニア州)が、共和党の支持なしにフィリバスターのルールを変更することに反対しているからだ。民主党上院議員全員の賛成票がない限りルール変更は困難だ。
しかも上で紹介した米公共ラジオとイプソスの共同世論調査によれば、「全米で投票のルールを標準化する」という声明に対して、全体で賛成は41%にとどまった。党派別にみると民主党支持者が50%、共和党支持者が40%、無党派層が29%である。中でも無党派層の支持が低い。
さらに、同調査では全体の44%が「投票抑圧法案」について認識していると回答し、50%を下回った。こちらも党派別にみると、民主党支持者が56%、共和党支持者が41%、無党派層が35%であった。無党派層の認知度が最も低いという結果が出た。
率直に言ってしまえば、バイデン大統領の2つの投票関連法案に関するメッセージが弱いのだ。投票関連法案の必要性を無党派層に強くアピールして、これまで以上に「投票抑圧法案」を厳しく非難することが肝要である。彼らの支持を得ない限り、次の中間選挙と大統領選挙での勝利はおぼつかないことはだけははっきり言えるだろう。