2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年2月15日

 ブルッキングス研究所のポラックが、1月17日に同研究所のウェブサイトに掲載された、オバマ大統領あて公開書簡で、北朝鮮の暴発による米中間の軍事衝突を避ける為に米中間の政策調整と意思疎通を早急に図るべきである、と主張しています。

 すなわち、米中は北朝鮮をめぐって激しく対立しており、軍事的に直接衝突する危険性さえある。米国も中国もこの種の紛争を望んではいないが、北朝鮮の内部的危機は、国益の擁護と平和へのリスク防止のために対北朝鮮介入への態勢を整えるよう、米中両国を駆り立ててきた。

 平壌は、これまでも内政問題に介入しないよう大国に警告するために、周辺諸国、とりわけ、米国の同盟国である韓国を脅してきたが、今や、この脅しには、核兵器使用の可能性が含まれている。北朝鮮による核の使用は、たとえそれが北朝鮮領内で行なわれたとしても、地域全体に重大な危険を及ぼす。米中が協力と意思疎通に失敗すれば、その結果は、想像を絶する惨憺たるものとなりうる。

 北朝鮮をめぐって中国と対立する危険性を減らすために、オバマ大統領は、次の4点につき、中国側と早急に政策調整と意思疎通を図るよう、米政府に指示すべきである。

 1.朝鮮に直ちに介入できる自国の兵力の配置、作戦、能力につき、両国が相互に情報を開示すること。

 2.北朝鮮の大量破壊兵器、特に核兵器や核物質の保管場所についての情報を相互に共有すること。

 3.韓国からの外国人避難計画を作ること。

 4.北朝鮮からの避難民対策につき協議すること。


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