2022年11月30日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年2月16日

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 NUGはビルマ族による支配を排除した多様な民族構成を持つ新たな軍(国民自衛軍)を構想するに至っている。軍による残虐な弾圧作戦は抵抗勢力による戦闘員徴募を助ける効果を持っているとの観察がある。

 第三に、最も重要な鍵であるが、軍が何時までその一体性を維持出来るかの問題である。これまでにも兵士や警察官の逃亡が伝えられているが、国民に銃を向ける行動に兵士のモラルが低下する、あるいは軍の方針に幹部の間で分断が生ずることはないかという問題である。軍が分解することは考えられないが、軍の一体性に対する脅威が強まることは軍事政権の行動の重大な制約要因となろう。

スーチー氏は過去の人との見方も

 以上に鑑みれば、軍事政権がその基盤が徐々に浸食されることを阻止することは相当に困難に思える。中国がスー・チーの釈放を要求しているとこの社説にあるが、彼女の釈放が情勢を転換する一手になるようにも思えない。そもそも、軍が彼女の政治的復権を認めることはないが――彼女は軍の歓心を買うことも試みたが(ヒンギャの問題について国際司法裁判所で軍の弁護に立った)、結局、彼女と軍とではうまく行かないことが証明された――彼女は最早過去の人物になりつつあるように思われる。

  
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