従ってバイデン政権としては、道理にまったく反するロシアの今回の暴挙の動きを何としてでも事前に制止する必要に迫られている。しかし、それが米国単独では不可能なゆえに、英仏独など欧州諸国および日韓などアジア諸国との結束に向けて、異常なほどのエネルギーを注いでいる段階だ。
実際に動き出すかはプーチンのみぞ知る
問題は、こうした米側の事情にロシアがどこまで耳を貸すかどうかだ。
ひとつの見方として、今回の場合、過去2回の時とは異なり、ロシア軍の動向は神経を研ぎ澄ました米側インテリジェンスによって事前に細部にわたり監視されており、機密情報が世界中に流布されているため、実際には動きにくくなっている側面もある。
しかし、すべてを決するのは、プーチン氏の胸先三寸次第だ。
米情報機関は、表面に現出する動きはキャッチできたとしても、プーチン氏の隠された「意図」まで読み取ることまで期待できず、能力も及ばない。