2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年3月3日

バイデン政権に迫られる困難な対応

 イラン側は、妥協が成立するためには米国による再度の離脱がないことの保証が必要だと主張する。イランの言い分は理解出来るが、「保証」は無理である。仮に、核合意の復活に合意が成立したとしても、米国議会の壁がある。

 2月1日、上院外交委員会委員長メネンデスは本会議で演説し、「1年を経て、〝より長い〟あるいは〝より強い〟という条件の境界は何なのか、可能性のある展望はあるのか、をまだ聞いていない」と述べ、更に「われわれは(核合意の中の)一体何を救出しようとしているのかを真剣に問う必要がある」とも述べた。

 バイデン政権は合意について議会の了承を取り付ける必要がある――さもなければ、議会が勝手にイラン制裁法案を可決して合意を反故にすることが出来る。2月7日、テッド・クルーズ上院議員ほか33人の上院議員がバイデン大統領に書簡を送り、合意を議会の検討に委ねないのなら、その実施は厳しく妨げられることになり得ると警告した。バイデン政権が困難な対応を迫られることは間違いない形勢である。

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