お寒い限りのドイツの脱石炭と脱原発
今年末までの脱原発、38年まで、可能なら30年までの脱石炭・褐炭により、大切な国内資源である原子力と褐炭を捨てることになる。可能だろうか。
SWIFTからのロシア金融機関の排除が、ロシアからの化石燃料供給停止につながるのであれば、ドイツはエネルギー転換戦略の見直しを強いられることになる。運輸部門と産業部門での電気と水素の利用促進という長期戦略を加速する一方、短中期では貴重な国内資源である褐炭の利用を継続することになるのではないか。
今年2月10日、仏マクロン大統領は50年までに最大14基の原発を新設し、既存原発の50年を超えての運転を検討すると発表したが、フランスからの電気への依存度を高めることで乗り切ることになるのだろうか。南部に工業地帯を抱えるドイツは、北部の再エネからの電気を輸出する一方、南部ではフランスからの電力輸入を続けている。脱石炭も脱原発も実態を見ればお寒い限りだ。