World Energy Watch

2022年2月28日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

 欧州委員会は、2月26日付で共同声明を発表した。「欧州委員会、ドイツ、フランス、イタリア、英国、カナダ、米国は、ロシアを国際金融システムから孤立させる」として、数日以内に実行する制裁の最初に、国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFT(国際銀行間通信協会)からの特定のロシアの銀行の排除をあげた。

(ake1150sb/gettyimages)

 26日午前のCNNの報道によると、SWIFTからロシアの金融機関を締め出すことについて欧州内では賛否が分かれ、賛成にはポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアが挙げられ、反対する国として、ドイツ、イタリア、ハンガリー、キプロスが挙げられていた。ロシアの化石燃料への依存度が高い国は、SWIFTからの締め出しによりロシアからの燃料の供給が途絶することを懸念していた。

 ただ、排除実行に際しては、天然ガス取引への支払いを除外する、あるいは化石燃料価格への影響を抑える方策も検討されていると伝えられている。昨年から上昇を続けている化石燃料価格のさらなる上昇は、経済、家計にあまりに大きな影響を与えるからだ。

ロシアは契約を履行するのか

 欧州からの報道では、ドイツの政治家の多くは「ロシアは天然ガスの既契約分の出荷を行う」と信じているとされる。2月23日ラジオのインタビューに答えた独ロベルト・ハーベック副首相兼経済・気候保護相(緑の党)は「ロシアとの関係は、過去幾度かの危機を乗り越えてきた」とする一方、「もし必要ならロシアの天然ガスなしでも乗り切ることは可能だ。ただ価格は上がる」と答えた。

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