2024年3月4日(月)

都市vs地方 

2022年3月11日

 出入国などによる増減で注目すべきは、日本人と外国人の内訳だ。今年は日本人が2979人増、外国人が2万4786人減、昨年は日本人が2万2994人増、外国人が2万5475人減となっている。これに対し、コロナ禍前の19年の数字を見ると、日本人が3595人増、外国人が2万7895人増である。

 昨年の日本人の増加は、コロナ感染拡大で海外赴任や留学から帰国した日本人が多かったためだ。対する外国人は、19年の約2万5000人増というのがコロナ前の例年の数字だった。毎年、2万5000人の増加から2万5000人の減少となっては、その影響は大きい。

 今年の東京都の人口減は、外国人の入国がコロナで閉ざされてしまったことも大きく起因している。リモートワークの推進という経済および社会の流れが進んでいる中、東京都にとって他の都道府県からの大幅な社会増というのは、今後、期待できない。現状の人口規模を維持するためには、外国人を受け入れる体制を構築することが必要となっている。

インバウンドでなく、共生の街に

 日本に入国する外国人の動きとしては、まず、東京に入り、働く場や学ぶ場を求めて地方へと移住することが多い。実際、東京都では、5000人前後の外国人が毎年、社会減している。海外の人にとって、「東京」は憧れの場所ではなく、情報集積の場であり、友人や知人、またはそこで得られた情報を基に住む場所を考えている。

 今後、東京は、コロナ前に毎年来ていた2万5000人という数を増やしていくととともに、地方への移住を減らしていかなければならない。それはつまり、外国人に定住してもらう「共生社会」の街づくりを進めていくことが必要なのだ。

 現状の東京の街にそれができているのだろうか。まず、街中の標識を見てみると、使われている言語が英語、中国語、韓国語ぐらいだ。これは昨今のインバウンド喚起により進められてきたもので、あくまで「観光客」というのを対象としてしまっている。日本に移住してくる人ということとなると、東南アジア諸国も多くなってくるので、そうした国々の言語にも対応しなければならない。

 現代では、スマートフォンの画面上に多言語を表示することもできるようになっており、そうした最新技術の活用も考えられる。街全体で「言語の壁」を乗り越え、国際都市を達成させる必要がある。

 また、他国の文化をどこまで取り入れていくのかも考えていかなければならない。イスラム教徒が食べられる「ハラール」認証といった言葉が広まりつつあるが、異国の文化というのはそれだけではない。各国の文化をどう日本風に受け入れていくのか。「郷に入っては郷に従え」と言ってしまってはいけない。


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