2024年7月25日(木)

都市vs地方 

2022年3月11日

緩く働ける人を増やす

 外国人の受け入れでこれまでのように「労働者」として見るだけでは、「回転ドア」のように人が出入りするだけになってしまう。長く住んでもらう、生活することを考えると、地方創生で各自治体が進めていた「移住促進」で強みとしていたことを考える必要がある。それは「治安」や「教育」であり、特に力を入れていくべきは教育だろう。

 日本に入国してきた外国人にしっかりした教育の提供、さらに子育てできる環境を整備していかなければならない。それが国際的に見ても日本の強みとなり得る。すでに〝移民大国〟である米国や人口減少が進んでいる中国と人材獲得競争へと突入する中で、賃金や待遇という面で日本が勝つことは困難である。住みやすさ・居心地の良さで魅力を創出していく必要がある。まさに日本が世界に誇る「安全・安心」もウリになるはずだ。

 これは、諸外国から優秀な人材を呼び込むことはもちろんだが、一方で、いわば「ケバブ屋で働く」といったような〝庶民〟がたくさん暮らしているという状態だ。そうした人々が経済活動を行うし、子育てや街づくりにも参与する。日本に移り住んだ外国人の二世や三世が大きなことを成し遂げるかもしれない。なぜなら、今、世界を席巻するGAFAの創業者はみな、そうした方々なのだから。

 東京は世界都市ランキングの上位を目指している。上位に比べた東京の大きな課題といえば国際性であろう。外国人が活躍できるさまざまな仕事があり、その外国人の活躍が東京の魅力をさらに高めていく、という好循環を生み出さないといけない。そのためには、まずは「来てみたい」と思わせる発信が必要だし、受け入れる努力もしなければならない。

 そうした国際性を出していくためには、短期の視点ではなく、長期の視点が求められる。26年ぶりの人口減少は東京にとって外国人との共生社会を築いていくことの必要性が高いことを浮き彫りにしたといえよう。

 
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