都市vs地方 

2022年3月11日

»著者プロフィール
閉じる

岡田 豊 (おかだ・ゆたか)

みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部経済調査チーム上席主任研究員

1967年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、現在のみずほ総合研究所の前身である富士総合研究所に入社。「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』の策定に向けた KPI 検討会」委員などを兼任。

 東京都の2022年1月1日時点の推計人口が1398万8129人で、前年同期比4万8592人減と、1年間を通じて減少した。1月1日の都の人口が減ったのは1996年以来、26年ぶりである。報道では、「コロナ移住」などが取り沙汰されているが、それは一面を捉えているにすぎない。見逃してはならないのは、外国人の入国だ。

(SB/gettyimages)

 実は東京の人口は外国人が下支えしている。政府は今月から、水際対策の段階的緩和を進めている。詳細は後述するが、今後、東京が世界に誇る「世界都市」の一つとして、外国人に「長く住みたい」と思わせる街づくりを進めていけるかが今後の明暗を分けるカギとなる。

 推計人口は、都が20年10月1日現在の国勢調査人口の確定値を基に、区市町村の住民基本台帳人口の同年1~12月を集計し、今年1月1日現在の数値を推計している。

 内訳を見てみると、他の都道府県との移動を示す社会増減は3897人増、自然増減は3万682人減、出入国などによる「その他」の増減は2万1807人減となっている。昨年1月1日時点の推計人口を見てみると、社会増減が2万9618人増、自然増減が1万8537人減、出入国などによる「その他」の増減が2481人減となる。それぞれの増減の変化で何が起きているのか見ていきたい。

「リモートワーク」だけでない人口減の要因

 まず、社会増減について、昨年、約3万人増加していたところから大きく規模を減らしている。これはやはり、コロナ禍の側面が大きい。実際、コロナ前の20年1月1日現在の推計人口では、8万741人の社会増が起きている。景気の悪化によるものもあるが、コロナ禍で進むリモートワークの影響も大きい。多くの企業が人材獲得に向けた雇用条件の一つとして「リモートワーク」を設けており、この流れはそう簡単には止められないだろう。

 自然減に関しては、高齢化によるものが大きい。住む場所を変えるのは多くが若者で、高齢者は動かない傾向がある。コロナ禍においてもそれは変わらず、都内に残った高齢者が亡くなったとみられる。また、21年の死亡数が20年よりもかなり増えているので、デルタ株の猛威の影響があろう。

関連記事

新着記事

»もっと見る