2024年4月26日(金)

INTELLIGENCE MIND

2022年3月21日

 当時の中曽根康弘首相の回想は以下のようなものである。

 「大韓航空機事件を知ったのは、その日の午前4時頃でした。午前6時頃に、私は、外務省、防衛庁からも報告を受けた。事情が正確に把握できたのは昼頃でした。夜中になって、やるなら思い切ったことをやらないと駄目だと考え、自衛隊が傍受していたソ連の戦闘機と樺太の基地との交信記録を米側に提供することを、早急に決断しました」

1983年、中曽根康弘首相(右)はレーガン米大統領に大韓航空機撃墜事件に関する米上院からの感謝決議状を受け取った
(MAINICHI NEWSPAPER/AFLO)

 こうして米政府は国連安全保障理事会で記録を公開したのである。それまで事件への関与を否定していたソ連はこれによって事実を認めざるを得なくなり、国際的な非難を浴びることになった。この点だけ見れば調別の大金星と映るが、ソ連側は通信が傍受されていた事実を知り、その後、通信に暗号をかけて中身を読めなくしてしまうのである。

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■デジタル時代に人を生かす 日本型人事の再構築
 Part 1  揺れる日本の雇用環境 人事改革は「人」と組織を生かせるか 編集部
 Part 2  「人」の成長なくして企業の成長なし 人事制度改革の将来像
鶴 光太郎(慶應義塾大学大学院商学研究科 教授)
 Part 3  自ら学び変化する人材を企業人事はどう育てるのか
中原 淳(立教大学経営学部 教授)
 Part 4  過熱するデジタル人材争奪戦 〝即戦力〟発想やめ自社育成を 編集部
Column 1 迫る〝2025年の崖〟 企業は「レガシーシステム」の刷新を
角田 仁(千葉工業大学 教授・デジタル人材育成学会 会長)
 Part 5  技術継承と効率化の鍵握る人間とデジタルの「役割分担」 編集部
Column 2 100分の1ミリで紡ぐ伝統 知られざる貨幣製造の裏側 編集部
 Part 6  「米国流」への誤解を直視し日本企業の強み生かす経営を
冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)
Column 3 全ビジネスパーソン必読!「対話不全」への処方箋
田村次朗(慶應義塾大学法学部 教授、弁護士)
 Part 7  根拠なき日本悲観論 企業に必要な「コンセプト化」の力
岩尾俊兵(慶應義塾大学商学部 准教授

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Wedge 2022年4月号より
日本型人事の再構築
日本型人事の再構築

日本型雇用の終焉─。「終身雇用」や「年功序列」が少子高齢化で揺らぎ、働き方改革やコロナ禍でのテレワーク浸透が雇用環境の変化に拍車をかける。わが国の雇用形態はどこに向かうべきか。答えは「人」を生かす人事制度の先にある。安易に“欧米式”に飛びつくことなく、われわれ自身の手で日本の新たな人材戦略を描こう。


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