世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年3月29日

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 エコノミスト誌3月12号のコラム‘Xi Jinping places a bet on Russia’は、習近平がロシア支持に傾いていることの問題について、ロシアとの関係を維持しながら乗り切ろうとしているようだが、それは危険な賭けである、と論じている。この記事は中国、特に北京の雰囲気を伝えていると言えよう。

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 コラムは、「習近平氏の威信がかかっている以上、中国にはプーチンに敗北を受け入れさせるインセンティブはほとんどない」と指摘する。

 この観測が正しいかどうかは、ウクライナにおける進展如何ともろに関わる。このコラムが指摘するように、習近平は大体において強気を通してきた。10年近くたって、ようやくそのことがはっきり見えてきた。そこでプーチン支持を基本においたウクライナ問題への対応を指示した可能性は高い。それほど二人はケミストリーが合うのだ。

 だが、習近平はプーチンと心中する気は毛頭ない。プーチンの旗色が悪くなり、ウクライナでの人道問題に焦点が当たり始めると軌道修正が必要となった。このコラムは、3月7日の王毅外相による「中露の『揺るぎない』友好関係は、中国を抑圧しようとする米国の動きに対抗する戦略的パートナーシップであり、さらに世界に平和と安定をもたらすもの」だとする発言を引用している。

 記事によれば、学者たちは、中国はロシアの戦争の正当性を議論することはできない、なぜならウクライナを守ることは米国の味方をすることになるからだ、と話しているそうだ。記事は、外から見れば、プーチン支持は、明らかに中国の名声を損なうことだが、習近平が平然としているように見えるのは、欧米との対峙が賢明な選択だと考えているからかもしれない、と分析している

 しかし、上記の3月7日の記者会見で王毅は同時に、「国際社会とともに仲介する」意向を示し、ウクライナの人道問題に対処する6項目の提案を行ってもいる。中国とロシア、習近平とプーチンの同一視を避けるためである。

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