2022年10月2日(日)

サムライ弁護士の一刀両断

2022年4月14日

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河本秀介 (かわもと・しゅうすけ)

弁護士

敬和綜合法律事務所所属。東京大学卒業後、三菱重工業での勤務経験を経て、2007年に弁護士登録。以後、会社関係訴訟、企業経営への助言、株主総会指導、M&Aアドバイスなど、コーポレート分野を中心に、幅広い内容の業務を遂行している。

 とんこつラーメンの全国チェーン「一蘭」が、公正取引委員会から調査を受けているとの報道があった。報道によると、一蘭は小売店に対して、自社ブランドのカップ麺などを希望小売価格から値下げしないよう求めていた可能性があり、独占禁止法に定める再販売価格の拘束の禁止違反による調査を受けているとのことである。

(Wako Megumi/gettyimages)

 なお、一蘭側は、調査を受けていることは事実であり、調査に全面的に協力しているとしつつ、詳細については明らかになった段階で改めて報告すると表明している。

 一蘭のカップ麺は、税込み490円という強気の価格設定をしている。消費者にとって、値下げにより安く手に入るのは喜ばしいはずだ。その一方で、値下げ競争が過ぎると商品のブランド価値が毀損しかねない。価格拘束によりブランド価値を維持したいという企業の利益は、法律で保護されないのだろうか。

巡回チェックでも「拘束」の可能性

 独占禁止法は、企業などの事業者が商品の販売先などに対して正当な理由なく販売価格を維持するよう求めること(再販売価格の拘束)を不公正な取引として禁止している。書籍などの一部の例外的な商品は除かれるが、企業が卸売店や小売店に対して定価での販売を求めたり、一定率までしか割引を認めなかったりすることは再販売価格の拘束として、原則は独占禁止法違反になる。

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