バイデンの「本当の二正面戦争」とは
バイデン大統領は5月27日、南部メリーランド州にある米海軍兵学校の卒業式で演説を行い、「プーチンがウクライナの文化とウクライナ国民のアイデンティティを消滅させようとしている」と主張した。
バイデン氏は日米首脳会談後と日米豪印4カ国でのクアッド首脳会合後の双方の共同記者会見においても同様の議論をした。バイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領がナチ化したウクライナ政府がロシア文化を消滅させ、「ウクライナ化」を図るというプロパガンダを流しているとみている。バイデン氏はプーチン氏こそがウクライナ国民に対してジェノサイド(集団虐殺)を行い、取り換え理論を実践していると言いたいのだ。
一方、米国内では前述の通り、取り換え理論に影響を受けた白人至上主義者が銃乱射事件を起こしている。バイデン氏は今、国内外で「二正面戦争」を遂行している。
BTSが取り換え理論の拡散を抑えることができるとは考えづらいが、バイデン大統領は彼らを国内の白人至上主義に対抗するための援軍として捉えているのだろう。