2024年6月25日(火)

お花畑の農業論にモノ申す

2022年6月4日

コメ産業の構造転換、海外貢献へ

 また、日本においては、直播して高い収量を得られる品種がないことも大きな課題だ。特に、空からの直播を想定したイネの品種が存在していない。

 空からの直播栽培に対しては、倒伏しにくい特徴である必要がある。草丈が低い、茎が強い、根が強く土に深く張ってイネを支える力がある、などの特徴を持っていなければならない。イネの穂の形成期から穂が出た後までに、窒素肥料を多めに使って大きな穂に多くの粒を着けても倒れなく、登熟の良い米粒ができることが理想であり、そうした品種開発およびそれに合わせた栽培方法・技術の発達を図っていきたい。

 低コスト国産米の安定的な供給は、国内コメ産業を発展させる重要な対策になる。品質の良い国産米が安価で生産され流通することで、コメ加工業界もコメを使う外食業界も各種製品(商品)づくりの幅は大きく広がるはず。これまで、高価格がネックとなり使いにくかった米粉や各種加工製品に使うことも可能になり、国内外に新たな市場開拓も期待できる。

 こうした産業構造が構築されれば、製品と消費を考え創造しながら生産に取り組むという、生産者として新たな意識を持たせることになる。また、昨今、課題となっている食料安全保障に寄与することは間違いない。低コストで多収できたコメを食料危機に面している国々に輸出するだけでなく、この技術をアジアやアフリカの国々に提供し、コメの安定生産と供給により貧しさから解放することも可能になるだろう。

 
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