2022年10月3日(月)

お花畑の農業論にモノ申す

2022年4月4日

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熊野孝文 (くまの・たかふみ)

元米穀新聞記者

1954年生まれ。東京経済大学中退後、コメの相場情報として米穀市況を速報する仕事に8年従事し、米穀新聞の記者として農家と卸売業者、小売店と、それぞれが取引する現場を40年取材してきた。近書に『ブランド米開発競争―美味いコメ作りの舞台裏』(中央公論新社)。

 農林水産省は2月28日、「飼料用米多収日本一」コンテストの受賞者を公表した。見事日本一の座を射止めたのは秋田県横手市の稲作生産者で、10アール当たり973キログラムの収量を上げ、農水大臣賞を受賞した。

(SAND555/gettyimages)

 この飼料用米多収コンテストは6年前から行われているもので、趣旨は「飼料用米については、10 年後に60キログラム当たりの生産コストを5割程度低減させる生産性向上の取組が重要である。目標実現に向けて、飼料用米生産農家の生産に係る技術水準の向上を推進するため、生産技術の面から先進的で他の模範となる経営体を表彰し、その成果を広く紹介する」としている。

日本に欠けていた多収品種開発の視点

 日本の水田作の生産構造は、主食用米の作付が減少する一方で、飼料用米の作付が増加。2021年産は全水稲作付面積156万ヘクタールのうち、主食用は130万ヘクタールであるのに対して、飼料用米は12万6000ヘクタールに拡大している。

(出所)農林水産省「飼料用米を巡る情報」 写真を拡大

 飼料用米の作付が拡大している背景には国による手厚い助成措置が導入されているからで、最高額は10アール当たり10万5000円も支給される。最高額を得るにはその地区の平均的な収量より多く収穫すれば1キロ当たり167円の助成金が上乗せされ、その最高限度額が10万5000円になることを意味している。

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