2022年8月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年6月8日

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 岸田文雄首相は、バイデン大統領との記者会見で、米国のTPP復帰を改めて求め、「戦略的な観点から米国が環太平洋パートナーシップ(TPP)に復帰することを期待している」と述べた(数回に亘り言及。米大統領府サイトでも記録されている)。かかる日本の立場は今後とも維持していくべきだろう。

米国のTPP復帰はほど遠い

 バイデン政権の対中政策には、貿易政策が思考停止になっている。政権の貿易政策は理解できない。大統領選挙戦でバイデンは、TPPについては米国の産業支援の措置をとることが先だとの趣旨を述べていた。民主党左派の保護貿易主義がそれ程強いのか。

 議会から交渉権限を取る必要があることも指摘されるが、貿易政策の欠如は将来に大きな禍根を残すのではないか。ムードの反中政策ではなく、具体的な問題解決を目指した対中政策をとるべきだ。ムードの政策では敗北主義になる。

 「TPPがあっても」(岸田首相)IPEFが成功することが望まれるし、それが米国によるTPP復帰に繋がることを期待したい。今秋の米国中間選挙後の動きを注視したい。

 5月3日、米通商代表部(USTR)は、トランプ政権による発動から4年が経つ中国製品に課されている制裁関税を見直す作業を始めると発表した。米国内にインフレ対応のため関税引き下げを求める声が高まっている(イエレンを含む)ことが背景にある。このように追い込まれて見直すのではなく、きちっとした対中貿易戦略に基づきもっと早く見直すべきだった。

  
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