2024年11月22日(金)

From LA

2022年6月20日

懸念される治安の悪化と、高まる政治への不満

 もう一つの懸念要素は治安の悪化だ。このところ全米各地で銃乱射事件が多発している。5月末にメモリアルデーという休日で連休があったが、その週末だけで130人もの銃による犠牲者が出たという。テキサスの小学校での銃乱射事件は大きなショックを与えたが、その後も毎週のように乱射事件が報道されている。

 政権は銃規制でこうした事件を防げる、と主張しているが、実際のところ根底にあるのは社会不安だろう。給与は上がらず、物価だけが上昇し、金利は高まり、誰もが将来に漠然とした不安と政治への不満を抱え込んでいる。今以上ガソリン価格が上がれば暴動が起きても不思議ではない、と思う。

 バイデン大統領は一貫してガソリン高騰はロシアのせい、物価高はコロナによる流通の乱れのせい、としているが、ウクライナからの小麦輸出が滞り、ロシアからの肥料が届かず作物が不作となれば、今年の秋以降食料価格がさらに跳ね上がる可能性がある。米国だけの問題ではないが、西側諸国のリーダーとして米国がどういう措置を取るのか、国民がどう受け止めるのか、注視すべき事態だろう。

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