「Wedge」2022年6月号に掲載されている特集「現状維持は最大の経営リスク 常識という殻を破ろう」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
空飛ぶ車を本気で実現しようと奮闘する日本人女性のカプリンスキー真紀氏。「失敗してもいくらでもやり直せる」と言い切る彼女の姿勢は、改めて挑戦することの素晴らしさを教えてくれる。
話し手/カプリンスキー真紀(ASKA共同創業者兼COO)
聞き手・構成/土方細秩子(ジャーナリスト)、 編集部(友森敏雄)
話し手/カプリンスキー真紀(ASKA共同創業者兼COO)
聞き手・構成/土方細秩子(ジャーナリスト)、 編集部(友森敏雄)
私(カプリンスキー真紀)と夫であるガイ・カプリンスキーが空飛ぶ車、「ASKA(アスカ)」の実現を目指してASKA社を設立したのは2018年。われわれ夫婦にとって3つ目となるスタートアップだ。
なぜ空飛ぶ車を作ろう、と考えたのか? 理由は現在住んでいるシリコンバレー一帯の過酷な住居環境にある。ここではグーグル、アップルなどの大企業の周辺にはキャンピングカーが林立している。あまりにも住宅価格が高く、そこに住んで仕事に通う人が多いためだ。また、サンフランシスコなどを見ても、狭いアパートに家族で暮らす人も多い。
一方で少し郊外に足を延ばせば、数千万円でゆったりした一軒家が買える。しかし、そのためには毎日の渋滞、異常に長い通勤を覚悟する必要がある。このジレンマを解消し、人の生活の質を高めるためには何が必要か、と考えて思いついたのが空飛ぶ車なのだ。
郊外から都市への移動を、安全かつ環境に優しく、しかも4人乗りの車サイズで道路の走行も可能、垂直に離着陸でき効率よく飛ぶことができる。そんな乗り物があれば、仕事と暮らしのバランスを取ることができるのではないか、と思った。
「ASKA」は電動で飛行および走行する。レンジエクステンダーとしてエンジンを搭載し飛行中にバッテリーを充電する。航続距離が250㍄(約400㌔メートル)、最高時速150㍄(約240㌔メートル)で、陸上は一般道を走行可能。空と陸を使い、効率的に移動することができる。