2024年2月22日(木)

田部康喜のTV読本

2022年6月26日

 金城はその後、1975年の沖縄海洋博覧会で上映される映画の脚本と制作を任された。そして、前夜祭と閉会式の企画も。「沖縄と本土との懸け橋なる」という金城の思いとは裏腹に、海洋博は地元の反対運動の波にもまれた。彼も深く傷ついた。

 博覧会で上映された映画「かりゆしの島-沖縄」では、「神女」とよばれる女性たちが、遠くの理想郷からなにものかを招き寄せるシーンが挿入されている。「客人(まれびと)」を呼ぼうとしている意味を込めたのだろうか。

 閉会式。海洋博の旗が降ろされると、複数のポールに沖縄県の旗がするすると上がっていく。「懸け橋」となりたいという金城の願いであろう。

 金城は酒に飲まれるようにして、転落事故によって、死亡する。1976年2月、わずか37歳だった。

ウルトラマンは地球を救う愛の灯

 還暦を迎えた、上原(平田満)が沖縄の金城の書斎を訪れる。彼は、金城に語り掛けるようにして、述懐する。

 「『マイティジャック』が失敗して苦しんでいるときも、沖縄に帰ろうとしたときも、助けなかった」

 「あれから30年間、子ども向けの作品の脚本を1000本以上書いているが、ウルトラマンを超えるヒーローを生み出していない」

 映画「シンウルトラマン」は、「ふたりのウルトラマン」の過去をすべて飲み込んで制作されたに違いない。若者を中心とした、大ヒットの理由がわかる。ウルトラマンは地球を救う、愛の灯(ともしび)なのである。

 ウルトラマンシリーズがそうであったように、「シンウルトラマン」もまた、観る者に希望を与えてくれるのである。

   
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