2023年1月31日(火)

田部康喜のTV読本

2022年7月10日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 千佳の告白を聞いて、茫然とする徹生だった。千佳は続ける。

 「それから佐伯の声が、頭のなかで何度も聞こえてきた。もっと違ったタイミングで別の言葉でいわれていたら、徹ちゃんが戻ってこなかったら、わからないと思う。だって生きなきゃいけないでしょ。

 瑠久が私を生きさせてくれた。頑張って、笑うようにしていた。瑠久を暗い子にしたくないから」

生き返ってよかったのか

 知人のスーパーで働き始めた、徹生だったが、転職先を探して面接を受け続ける。しかし、「復生者」というだけで、どの企業も受け入れを断ってくる。

 公園のベンチでたたずむ、徹生にガードマンの制服をまとった、佐伯の幻影と声が幻聴となって聞こえてくる。

 「生き返って、よかったですか? 死んだままのほうがよかったですか?」

 ラストシーンが、サスペンスの恐怖をさらにましていく。千佳が何者かに携帯電話で話をしている。

 「わたしが誤っていました。わたしが悪いんです」

  
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