2022年10月3日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年8月8日

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 7月22日付のワシントン・ポスト紙(WP)は、同紙インテリジェンス・国家安全保障担当リポーターであるシェーン・ハリスなどの「英情報トップが、ロシアはウクライナでまもなく〝勢いを失う〟と言う。MI6の長、リチャード・モアはまたロシアの侵攻を〝壮大な失敗〟と描写した」という記事を掲載した。

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 英国の情報機関MI6のモア長官は、ウクライナでのロシアの軍事作戦は物資と兵員の不足で、ここ数週間で勢いを失うことになりそうであると、アスペン安全保障会議において述べた。彼は控えめに見積もってもロシア軍は1万5000人くらいの兵士を失っており、これはアフガニスタンでの10年の戦争でロシア軍が被った損害とほぼ同数であると指摘した。

 このアスペン安全保障会議でのモアMI6長官の発言は注目に値する。英国の情報機関は情報の収集および分析において一般的に優れており、かつ外部に対する発言には慎重であるからである。もちろん情報源については明らかにしていないが、ロシア軍内の情報も勘案し、総合判断したものであろう。

 プーチンの病気については、パーキンソン病である、血液関係のガンであるなどのうわさがあるが、CIAもMI6も否定しているので、そういう噂は根拠がないと考えてよい。

 ウクライナに対するロシアの攻勢が「勢い」を失う可能性はモア長官の指摘通りあろう。特に兵員の補充が困難になっているのではないか。ウクライナに投入された兵力は通常のロシア軍の兵力の相当な部分であった。例えば、わが国の北方領土、択捉島よりもかなりの数の将校や兵士が行っている。

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