ペットビジネス最前線

2013年4月26日

»著者プロフィール

 市場規模は平成21年で3095億円(総務省)となっており、厳密な数字はなかなか把握しづらい部分もありますが、現在の一事業所当たりの平均売上は3300万前後と言われています。

 しかし市場としての売り上げが年々伸びてきているにもかかわらず、獣医師一人当たりの売り上げは平成21年頃より下降しているのだそうです。これは単純に景気後退下での個人支出が下がったことと、供給側の事業所や獣医師が増えたことで説明がつくようです。

 http://globe.asahi.com/feature/120115/images/2_1b.jpg

 ペットブームや獣医師を題材にした漫画などで人気の職種となった小動物臨床ですが、ビジネスとして捉えた場合、どこまで可能性があるのでしょうか?

開業資金2000万円!
獣医師を取り巻く環境

 獣医師となり働くためには、全国に16ある獣医学科を持つ大学で6年間の勉強をして、獣医師国家試験に合格をする必要があります。小動物の臨床に携わるためには、更に数年インターンとして小動物の臨床を経験する必要があります。そこまで努力をしてやっと開業するときには、平均2000万円の資金が必要と言われています。

 高額な授業料を払い専門的な学問を習得、国家試験にも合格し就職してみると…

 実は多忙な上収入が思ったより少ない。そんな事実が明らかになって、将来に不安を感じている学生が少なくないと言われています。獣医学生の就職希望率も、開業医から公務員や他の分野へ少しずつシフトしているようです。

 開業獣医師の職種は国内ではサービス業に分類されており、ペットショップやトリマーなどと分類上変わりません。医療を与える相手が法的に「物」であることや、元々が軍馬や畜産から始まった分野の学問なので社会的な地位がまだまだ低いと言わざるを得ません。

 欧米では、獣医師は一般獣医師と専門獣医師に分かれて小動物の臨床が行われています。学問的にも、人間の医者と同様に一般の獣医師資格を取得した後、内科や整形外科など専門の学問と技術を習得し、初めて専門医として認定され社会的な地位も得られます。日本での犬や猫に対する獣医療はまだまだ歴史が浅いので、専門医制度は教師がいないことなどが理由でまだ検討段階だそうです。

 技術も習得し資金も整い、いざ開業。今度は地域で活躍している同業者とのコミュニケーションが必要となります。都心部ではあまり大きな問題にはならないようですが、地域によっては手痛い洗礼が待っている場合があるようです。上手にお付き合いできない場合は、必要なワクチンや薬が手に入れられないことも。年々技術や知識が向上している獣医療ですが、新しい血が入らないことには地域の発展に繋がらないのではと感じます。飼い主に対するサービスの向上にも繋がらないのではないでしょうか。

関連記事

新着記事

»もっと見る