ペットビジネス最前線

2013年4月26日

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 自ら開業するためには、経営者としての能力も身につけなくてはいけません。人員の選択から給与設定、売上の管理、税金の計算……等々。大学では専門の知識をみっちりと学習し、インターンでは体力勝負の実務と新しい獣医療の習得。ようやく手に入れた自分の病院で、今度は人間関係や飼い主とのコミュニケーションで苦労する方も多いようです。専門技術と企業家としての能力を兼ね備えて初めて成り立つのが動物病院の経営といえるのでしょう。

飼い主の意識を変えるために

 ペットブームの影響で家族の一員とまで言われるようになったコンパニオンアニマルに対して、動物病院業界には新たなサービスが求められているようです。ペットの医療に関する需要も専門化し、予防医療という言葉も一般化してきました。1990年代以降、世間では「失われた10年」と言われ、日本経済全体が成長しなかった時期にも動物病院業界が成長し続けたことがそれを物語っているのだと感じます。学問としても体制としてもスキルアップする時期なのでしょう。

 ペットのトリマーやトレーニングの技術を身につけ、更なるサービスの向上を目指し獣医師の資格を取った方が居ます。ペットの飼い主に対するアドバイスを行う上で、病気や健康面でのケアができることは非常に有効なサービスです。利用する側も、気軽にトリミングなどのサービスを受けに行くその一軒で、全てのサービスを受けることができるので利便性もあります。

 オーナーは、国内ではまだまだ浸透していない「動物の福祉」の考え方を根本に持ち、飼い主のいないペット(保護犬)などの譲渡活動にも積極的に参加しています。

 命を扱う側が与える飼育に関する知識は、飼い主にケアや健康管理・治療と言った具体的なサービスだけではなく、命に対する倫理観や飼い主の意識向上に大きく関わります。

 飼い主の意識が向上しない限り、コンパニオンアニマルの社会的な位置の向上は見込めません。

 他に公的資格が存在しないペットの業界では、飼育やケアの知識を兼ね備えた獣医師のアドバイスは、飼い主の意識を変えていくために非常に有効だと感じます。

 http://www.petspace-marimo.com/

 上述の獣医師のように、全ての獣医師がトリミングやトレーニングの知識を併せ持っているわけではありません。需要と共に獣医師としての本分である「専門治療」を得意とする獣医師も増えてきました。経営的にその技術を生かそうとした場合、経営と診療を分離して運営するという手法も考えられます。このモデルを推進することで「地域で一番サービスの良い病院」になった企業があります。

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