2022年12月7日(水)

Wedge OPINION

2022年8月31日

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高橋力也 (たかはし・りきや)

横浜市立大学国際教養学部 准教授

慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程、米イリノイ大学ロースクール、英ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修士課程を修了。博士(国際関係)。国連日本政府代表部政務部勤務、日本大学国際関係学部助教を経て、2022年より現職。

 国連が51カ国で始動した当初は、戦後秩序を構築する上で、主たる連合国に常任理事国という特権を与えることにも一応の正統性があった。しかし加盟国は現在193を数え、冷戦が終結し国際社会の構図は著しく変化した。それでも、非常任理事国が6から10へと増員したことを除き、安保理の構成や権限は基本的に変わっていない。

2005年頃に唱えられた
安保理改革案は全て頓挫した

(出所)外務省資料を基にウェッジ作成 写真を拡大

 安保理の構成や権限に手を加えるとなれば、国連憲章の改正を要する。仮に総会で改正案を採択したとしても、発効には「P5を含めた」加盟国の3分の2以上が批准を行う必要がある。つまり、P5の既得権(主に拒否権)を剥奪または制限するような、いわば引き算の改革の実現は到底望めないのである。

空中分解を避けるため
「牙」を抜いた国際連盟

 この冷厳な現実を踏まえ、国連の実質的な前身たる国際連盟の歴史を振り返ってみたい。

 第二次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟の「失敗」を受け、国連は強制措置を強化し、集団安全保障の枠組みに「牙」を備えたといわれる。しかし、連盟の集団安全保障制度は、大国のからむ紛争に対処するための制度設計という限られた観点からいえば、国連よりも優れていた。

 連盟規約によれば、……

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