2022年11月27日(日)

都市vs地方 

2022年9月1日

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吉田浩 (よしだ・ひろし)

東北大学大学院 経済学研究科教授

高齢経済社会研究センター長。1995年一橋大学大学院博士課程満期退学、97年東北大学大学院経済学研究科助教授、2007年より現職。会計検査院第9代特別研究官、経済企画庁経済審議会特別委員も歴任した。著書に『男女共同参画による日本社会の経済・経営・地域活性化戦略』(河北新報出版センター)、『厚生労働統計で知る東日本大震災の実状』(統計研究会)など。

最低賃金はやはり1000円以上必要

 最後に、各地域で平均的な生活を賄うためには、最低賃金をいくらにするべきかを試算してみた。これは、表3C欄の1世帯当たりの有業人員で、月間160時間(週40時間×4週)の労働時間で、B欄の平均消費支出を賄うことができる時給を逆算したものである。

 結果は表4に示されている。この結果によれば、多くの地域で時給1000円を達成することが求められていることが分かる。表4のケースでは全国単純平均で1086円であり、決して荒唐無稽な金額でもないといえる。

(出所)表3より筆者作成。E=B/(C*160) 写真を拡大

 昨今の物価高騰への対応や、労働者の生活水準を底上げするためにも、賃金の上昇は必要である。それは、消費支出の回復も期待できる。それだけでなく、賃金と生活のための消費支出のバランスが取れている環境づくりは、地方から都市への人口流出を一定程度抑えることや都市から地方への人口流入促進の呼び水となることも期待される。

  
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