最低賃金はやはり1000円以上必要
最後に、各地域で平均的な生活を賄うためには、最低賃金をいくらにするべきかを試算してみた。これは、表3C欄の1世帯当たりの有業人員で、月間160時間(週40時間×4週)の労働時間で、B欄の平均消費支出を賄うことができる時給を逆算したものである。
結果は表4に示されている。この結果によれば、多くの地域で時給1000円を達成することが求められていることが分かる。表4のケースでは全国単純平均で1086円であり、決して荒唐無稽な金額でもないといえる。
昨今の物価高騰への対応や、労働者の生活水準を底上げするためにも、賃金の上昇は必要である。それは、消費支出の回復も期待できる。それだけでなく、賃金と生活のための消費支出のバランスが取れている環境づくりは、地方から都市への人口流出を一定程度抑えることや都市から地方への人口流入促進の呼び水となることも期待される。