実は24年米大統領選挙か?
トランプ氏が持ち出した機密情報の中には、同氏の評価にダメージを与える不都合な情報が含まれているのではないかと言われている。では、どのような不都合な情報なのか。
20年米大統領選挙で、トランプ氏はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領からジョー・バイデン候補(当時)と次男ハンター・バイデン氏の「ウクライナ・ビジネス」に関する情報を得ようとした。ウクライナへの軍事支援と引き換えに、選挙に勝つために「バイデン親子」の情報を入手しようとしたのである。トランプ氏は、このディールに関する情報を隠匿したいのかもしれない。
さらに、上の件に関連して「リベンジ説」がある。20年米大統領選挙において、ゼレンスキー大統領はトランプ大統領(当時)に対して、バイデン親子の情報を提供しなかったからだ。ゼレンスキー氏が情報を渡していれば、トランプ氏はバイデン候補(当時)に打撃を与えることができたはずである。
そこで、トランプ氏はゼレンスキー大統領に対する復讐として、ウクライナの秘密情報が明記された機密文書を、同国と衝突している国(ロシア)に渡すというのがリベンジ説である。
筆者の見立てはこうだ。トランプ前大統領はウクライナに関する機密情報をロシアに流す見返りとして、24年米大統領選挙における同国の協力を取り付ける。バイデン大統領とゼレンスキー大統領の「蜜月」関係は、トランプ氏にとって不愉快極まりないからである。
トランプ氏は持ち出した機密情報を利用して、バイデン氏とゼレンスキー氏に、「ダブル・リベンジ」を行うと考えているとしても、全く不思議ではない。