中国経済は、そういう中でこれまでのような成長はしないだろう。党大会で発表されてきた今後の成長見込みも発表されていないし、今年の国内総生産(GDP)成長率の発表も党大会中は見送られた。良い数字ではないからであろう。
台湾政策で求められる日米連携強化
中国経済は今後減速するとともに、中国の強国路線が強化されると考えられ、そのことを踏まえて対中政策を考えていく必要がある。世界は分断されてきている。
一番差し迫った問題は台湾有事の危険であり、台湾政策について日米間で緊密な意見交換が必要である。米国の戦略的あいまい政策は、中国による台湾侵攻の抑止に資するのか。
米国は、米中国交正常化の際、台湾は中国の不可分の領土であるという中国の主張を「acknowledge(認識)」しただけなのに、「一つの中国」政策が米国の政策であると繰り返し表明することは適当なのか。こうした問題ついて、日米は意見交換すべきであろう。
習近平は台湾の再統一は軍事力を使ってでも達成すると言うが、2300万の台湾に住む人の意向を全く無視するのは大きな人権侵害である。そういうことについても、発信を強化する必要がある。